CNET Japan Blog - 梅田望夫・英語で読むITトレンド

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たとえば、戦後の日本で、最も起業家精神溢れる企業群を輩出したセクターは、生活密着型サービス産業の系譜だと思う。エスタブリッシュメント重厚長大の製造業を担い、生活密着型サービス産業は群雄割拠の世界となった。ダイエー、イトーヨーカ堂セブンイレブン、ローソン、リクルート、ぴあ、コジマ、マツキヨ、ユニクロTSUTAYA・・・・。外食産業全国チェーンや、マクドナルド、ケンタッキーからスターバックスにいたる流れ。これらは皆、狭義のベンチャーとはいえないかもしれないが、皆、起業家精神溢れる経営者がほとんどゼロから築きあげたものだ。楽天ライブドアは、戦後日本の「お家芸」とも言うべき、人材の厚みや経験の蓄積のある「生活密着型サービス産業の系譜」の上に連ねるべき企業なんじゃないだろうか。

一方、Googleというのは、間違いなく、IBM、DEC、IntelMicrosoftApple、Sunといった、IT産業(昔はコンピュータ産業と言った)にパラダイムシフトを引き起こす「10年に1度」現れる「特別な企業」だ。

半導体に飛びついて大変な思いをして電子立国・日本を達成し、PCにも飛びつき巨大なPC関連産業を日本にもたらしたのに、なぜインターネットには飛びつけなかったのか?」と問うべきで、そのほうが、より本質的な議論ができるのではないか。